迅速な通知で保険失効率6%減、再加入率23%増。賃貸住宅保険のSMS活用で顧客接点を強化
日本ワイド少額短期保険株式会社
業種:保険業
プラン:Layer 1、2、2.5
目的:保険証券のダウンロード案内、保険料支払い・更新の案内ほか
導入前の課題
毎月数千件の書類発送・回収が大きな業務負担となっていた。また、ヒューマンエラーによる情報漏洩リスクも懸念されていた。
導入後の効果
案内の8割をSMSに切り替え、作業時間を大幅に短縮。また、強固なセキュリティにより情報漏洩リスクも軽減。SMSでの支払い案内により、保険失効率は6%減少、再加入率も23%増加した。
【お話を伺った方】
日本ワイド少額短期保険株式会社
業務部 古賀さま・椎葉さま
毎月数千通の案内発送業務が負担に。効率化と情報漏洩リスクの解消を目指し導入
最初に、日本ワイド少額短期保険様の業務内容について教えてください。
当社は、賃貸住宅の入居者様向け損害保険を提供している保険会社です。2014年に設立された比較的若い会社ですが、年々契約数を伸ばしてきました。私たちが所属する業務部では、ご契約者様からの問い合わせ対応や保全業務、代理店様の対応などを担当しています。
現在「SMAPS」をご利用いただいていますが、導入以前はどのような課題がありましたか。
導入前は、毎月数千件の案内書類を手作業でお客様へ郵送していました。社員2名とパート社員1名で対応していましたが作業負担が非常に大きく、1回の発送業務に1〜2日かかることも。紙の書類を送る際には、出力し、契約ごとに仕分けしてチェックし、封入するという多くの作業工程があります。1契約あたり複数枚の書類を送付することもありますが、そのすべてに個人情報が含まれるため、他の顧客の情報が混入していないかなど何重にもチェックする必要がありました。また、ヒューマンエラーによる情報漏洩のリスクも懸念されていました。近年の郵送費値上げでコスト面での負担も増大しており、さまざまな課題を抱えていました。
「SMAPS」をお選びいただいた理由について教えてください。
まず一つは、郵送の遅延や紛失リスクを回避し、迅速に情報を届ける手段として、SMSは最適だと判断したからです。また、当社が導入した2017年頃はSMSを活用する企業が増え始めていた時期で、社会のデジタル化の流れに合わせる形で導入を決定しました。
タイムリーで確実な案内により保険失効率6%減、再加入率23%増を実現
現在、どのように「SMAPS」を活用されていますか?
まず、以前は保険証券をすべて紙で発送していましたが、現在はウェブ上でダウンロードできるように切り替えました。その案内を、SMSで実施しています。その他にも、保険料の引き落とし案内や保険の更新案内、未払いの場合の再請求案内、解約時の返金案内など、計9〜10種類の通知をSMSで送信しています。希望される方には引き続き紙での通知を行っていますが、約8割の個人契約者様には「SMAPS」経由で通知できています。
導入によって、どのような効果がありましたか?
最も大きな効果は、業務効率化とコスト削減です。お話したように、以前は書類の発送作業に1〜2日かかっていましたが、現在ではデータ作成後30分程度でSMS送信が完了します。当初と比べると、書類の発送・管理に関わる人員も減少し、空いた時間を他の業務に充てられるようになりました。
また、保険の失効防止にも大きく貢献しています。保険料をお支払いいただけない場合、保険が失効してしまうのですが、2023年度より支払期日が迫っている契約者様に「SMAPS」で案内を送るようにしました。それにより、前年度に比べ失効率が6%も減少しました。
保険料の未払いがあった場合、導入前は振り込み用紙を郵送で4〜5日かけて発送していました。しかしSMSであればすぐにコンビニ支払いの案内を送ることができ、お客様のお支払いもスムーズになりました。また、お客様が引っ越しをされ、住所変更していない場合に書類が届かないこともありましたが、SMSでは確実に届けられるように。手続きが、円滑に進むようになりました。
保険失効後の再加入促進においても、2023年度からSMSでの案内を始めました。すると、再加入率が前年と比べて23%も増加したのです。また、失効した場合には該当の賃貸住宅に居住されているか確認が必要ですが「アンケート機能」を活用して、簡単に居住確認ができるようになりました。
保険会社としては、お客様の無保険状態を防ぎ、適切な保障を提供するという使命があります。そのため私たちにとって保険失効率の減少や再加入率のアップは非常に大きな結果であり、また当社の収益にも直接影響する重要な成果だと言えます。
セキュリティと利便性の両立。今後はさらなる活用拡大へ
もともと郵送による情報漏洩リスクを懸念されていましたが、SMSのセキュリティ面に不安はありませんでしたか?
SMSは、携帯電話番号を用いて情報を送る方法です。携帯電話は契約時に厳重に本人確認が行われているため、基本的なセキュリティは確保されていると考えます。さらに、「SMAPS」ではSMSのリンクを開く際に本人認証がが必要なため、情報漏洩のリスクは極めて低いと思います。なので、その点に不安はありませんでした。
紙の書類の場合、誤配送や紛失のリスクもありますが、SMSではそういった心配がない点も安心です。当社は保険会社ですので、個人情報の取り扱いには特に慎重を期していますが、「SMAPS」のセキュリティ機能は十分に当社の要件を満たしていると考えています。
「SMAPS」を導入された後の、お客様の反応はいかがですか?
SMSに切り替わる前に、お客様に封書でご案内はしていたものの、導入当初は一部で「今まで紙で届いていたものがSMSになるのはなぜか」というお問い合わせもありました。しかし、現在は多くのお客様に受け入れられています。特に若い世代を中心に、スピード感と手軽さを評価する声が多いです。
例えば、賃貸住宅の更新時には保険加入の証明が必要ですが、紙の証券を紛失されているケースも多く「SMSを通じてウェブ上で証券をダウンロードできる機能は便利だ」との評価をいただいています。
最後に、今後の展望についてお聞かせください。
現在、新規の口座振替契約はWebで登録が可能ですが、既存契約の口座変更は紙での手続きが必要で、口座登録には約1ヶ月かかっています。また、紙の場合、郵送でのやり取りに加え、記入ミスや漏れ、印鑑相違などで再手続きが必要になるケースが多いという課題があります。「SMAPS」を活用し、Webでの口座登録ができれば、即座に登録が完了できるので、こちらでの利用も検討中です。
他に、新たに解決したいと感じているのはSMSの開封率です。保険加入直後のSMSは開封率が高いものの、時間の経過とともに下がる傾向にあるため、この数字をいかに高めていくかが今後の課題です。特に、近年はさまざまなSMSの通知が増えています。当社ではお客様のフルネームを最初に記載するなどの工夫をしていますが、より効果的な方法を模索しているところです。
「SMAPS」の大きな利点は、個人情報を安全にやり取りできるところだと思っています。今後契約数が増加しても、封書で発生していたような人的コストを増やすことなく対応できるので、安心して業務を遂行できています。今後もお客様一人ひとりの状況に合わせたコミュニケーション方法を模索しながら、紙からデジタルへの移行を進めていきたいと考えています。