インフラ事業者として確実に届けたい情報をSMSで。コスト削減の先に見据える「ゆとりある働き方」の実現へ
カニエJAPAN株式会社
業種:LPガス
プラン:Layer2,Layer3
目的:ガス料金の通知等
導入前の課題
ガスメーターの検針等を遠隔で行うシステムの登場により、ポスティング業務の改善を検討する必要があった。
導入後の効果
LPWAとSMAPSの活用により年間で5,000時間、7,000万円のコスト削減を見込む。顧客通知の効率化や安定化のほか、従業員の働き方改善にも繋がった。
高い到達率やサービスの安心感が導入のきっかけに
まずはSMAPSを活用するようになった背景を教えてください。
近年、LPWA(LPガス集中管理システム)という技術を使うことで、ガスメーターの検針等を遠隔で行うシステムが登場し、これの設置を推進しています。
今まではお客さまの自宅等に訪問して検針し、レシートをポスティングしてきました。それがLPWAの設置により訪問せずとも遠隔で可能になるため、お客さまへの料金通知の方法が郵送に変わります。当社が抱える約10万件のお客さまに対して、全て郵送で対応しようとすれば、相当のコストがかかってしまうのがネックでした。
また、郵送しても住所変更の手続きが行われていないなどの理由から宛先不明で戻ってきてしまったりと、お客さまへ確実に料金通知が届かない課題もあり、郵送以外の方法はないかと検討することになったのです。
他社の事例を見ていくと、メッセンジャーアプリを利用している企業が多かったのですが、様々な企業が広告やマーケティングで活用していて、情報が埋もれてしまったり、ブロックされてしまう課題があるようでした。
一方でSMSの場合は、金融機関が認証等でも活用していたこともあり、重要かつ緊急性が高い連絡と感じてもらうことができ、お客さまへの到達率が高まるのではないかと考えました。業界で先行的にやってみるといいのではと思ったところから、SMSを活用することに決めました。
SMAPSを知ったのはどのようなきっかけだったのでしょうか。
SMSのサービスを提供している会社はいくつかありますが、SMAPSを知ったのは当社顧問からの紹介でした。
LINXが内閣府らとともに、簡易書留や内容証明を書面の郵送ではなくSMSに代用可能にする取り組みを行っているのを知り、信頼できる企業のサービスなのだと安心につながりました。
私たちはSMSを通じて、お客さまへ利用料金通知以外に法令上決められている文章の通知も行おうと考えていましたから、必要な条件を満たしてお客様に届けられ、開封の確認ができる機能を求めていました。
SMAPSでは「SMSを送った時間」「開封した時間」などが管理画面で可視化できます。紙のポスティングでは把握できない情報や対応できないこともありましたが、SMAPSの場合は様々な機能を搭載しているため、料金通知に限らず、幅広い展開が考えられるとも感じ、導入の後押しになりました。
また、サービスの安定性も評価ポイントでした。例えば、災害発生時には電話やインターネット回線が繋がりにくくなりますが、SMSは災害時に規制を受けにくく、また復旧が一番早い通信手段だそうです。
LPWAが付いていることで、LPガスの復旧状況を素早く共有するなど、LPガス事業者だからこそ届けられる有効な情報をお伝えするのにSMAPSは最も適したサービスといえるのではないでしょうか。
SMSでの通知案内を1度送っただけで6割以上の承諾を得られた
SMAPS導入後の効果や具体的な活用方法について教えてください。
LPWAの設置を行った後、順次SMSで料金通知等を送付する旨のご案内をしていますが、1回目のご案内で6割以上の方から承諾をもらっており、会員専用WEBサイトやアプリのマイページ機能やメッセンジャーアプリよりも同意率が高いと感じています。
正直、最初は1割くらいの方から同意をもらえたらよいと思っていたので、想像以上の反響で驚きましたね。また、同意率は都心のほうが高くなるのではと想定していましたが、地域差はほぼありませんでした。
ガスに限らず、水道や電気も紙からWEBに通知が移行してきていることから、お客さまに受け入れやすくなっているのかもしれません。
また、一度SMSでメッセージを送ると今後も同じ番号から通知が届きます。そのため、「今後はこの番号からSMSが届くので『カニエJAPAN』と登録しておいてください」と添えるようにして、見逃しを減らすようなオペレーションを組んでいます。
SMSの利用率が上がれば郵送コストを減らすことができますので、目標としては「利用率90%」を目指している状況です。
これが達成できた場合、年間で5,000時間の削減、と7,000万円のコストダウンが実現できると試算しています。3年計画で10万戸のLPWA設置を計画しており、計画通りか少し前倒しで順調に進行しているので、手応えを感じています。
また、SMAPSは料金通知のみならず、コンビニでの払込票、口座引落やクレジットカード払いの登録、法令に則った文章の送付に活用しています。今後は、滞納時の停止通知もポスティングからSMSに切り替えることも検討していて、将来的にはお客さまへの連絡をSMSに統一していきたいと考えています。
業務効率化の実現で「ゆとりを持って働ける環境」を整備していく
業務時間を削減することで、今後何に取り組んでいく予定でしょうか?
当社では「ゆとりをつくる」ということに取り組んでいきたいと考えています。
DX化を推進して、さらなる業務時間削減を目指していますが、その時間を別の業務に代替するのではなく、働いている時間にゆとりを持てるようにしていきたいのです。
業務を詰め込んで、日々の忙しさに忙殺されてしまえば、どうしても考える時間が取れなくなり、イノベーションの種となるアイデアが出てこなくなってしまう。そのため、まずは社員にゆとりを持って働いてもらえる環境を整備していきます。
社員は通常業務のほかにプロジェクトに参加します。ゆとりができれば自分の興味があるプロジェクトに時間を割くことも、新しいプロジェクトを自発的に立ち上げることもできるようになるでしょう。こうした取り組みが会社全体の効率化を実現し、ひいては人材の採用や会社のPRに寄与することにもつながると考えています。