顧客からの回答率が約20〜30%改善。保険料支払い管理業務の効率と顧客体験が向上
アニコム損害保険株式会社
業種:保険業
プラン:Layer2.5
目的:保険料支払い管理業務の効率化
導入前の課題
郵便の翌日配達廃止とお客様情報確認の長期化に対する対策が求められていた
導入後の効果
お客様の対応の迅速化と年間約60万円の郵送費削減を実現
【お話を伺った方】
アニコム損害保険株式会社 業務管理部
廣瀬さま、増田さま
安心して顧客情報を扱える堅牢さと時代に沿ったデジタル払い機能が選定の理由
SMAPS導入の背景について詳しく教えてください。
廣瀬様:私達の所属する業務管理部では主に保険契約と保険料に係る業務を担っており、具体的には新規申し込み契約の計上や契約内容変更の手続き、保険料出入金管理などを行っております。このような業務を進める中で大きく2つの課題が出てきました。
1つ目は、2022年に郵送の翌日配達がなくなり、普通郵便の配達が1〜3日遅れるようになったことです。当社では保険料未払いのお客様に対してコンビニ払いの用紙を送付していますが、翌日配達がなくなることで、払込用紙の紛失や再送の依頼があった際に、払込票が払込期日までにお客様の手元に届かないケースが増えることを懸念していました。
2つ目は、保険料返還等に伴う口座情報確認の長期化です。以前は保険料の返還を行う口座確認のための書類をお送りし、返答がないものに対してご連絡のメールをお送りしておりましたが、お客様がすぐに回答できる機能がなかったため規定回数を超えても情報が判明しないケースが増えていました。
SMAPS導入までのプロセスや導入の決め手についてお聞かせください。
廣瀬様:ご紹介いただいてから半年程で導入を決定しましたが、元々導入にあたっては当社側で必須機能を3つ決めていました。
まずは個人の認証機能です。当社は金融機関ですので、個人情報の漏えいを防ぐためにこの機能があることを必須としておりました。
次に、お客様が回答できる機能になります。当社からお客様にはメールでもご案内をお送りしておりましたが、お客様からの回答機能がなく、回答までに時間を要することが課題でしたので、回答機能があるものを探していました。
最後に、特に重視していたのが決済バーコード送信機能です。コンビニ払いの用紙の代わりになるような機能を探していました。
加えて、「メッセージ送信」「URLへのアクセス」「認証状況」といったお客様のメッセージに対するステータスがリアルタイムで確認・管理できる機能も選定の決定打となりました。保険料収納の厳密な期日管理が必要な中、これらのステータスをリアルタイムで確認できることは収納管理において重宝しております。
現在、SMAPSをどのように活用されていますか?
増田様:主に2つの業務で活用しています。
1つは、コンビニ決済用のバーコード送信です。保険料が未払いのお客様の支払い手段として、コンビニ支払いを用意しており、コンビニ払い用のバーコードをSMAPSで送付しています。
もう1つは、契約者様への確認や問い合わせへの活用で、主に住所やメールアドレス、飼われているペットのお名前の確認に使用しています。電話や書面による問い合わせでお客様から回答を得られない場合やご連絡がつかない場合に、回答機能を付けたメッセージをお送りしています。
いずれも、イレギュラーケースでの活用をしており、お客様に対して「明日の〇〇時までにお送りします」など、到着時間を明確にお約束できるため、到着遅延に関するクレームが減少しました。また、SMSはリアルタイムでお客様のお手元に配信できるため、郵送と比較して支払い期日までに余裕をもってご案内できる点が、お客様のご安心にも繋がっていると感じています。
顧客からの回答率が向上し、郵便料金値上げにも先手
SMAPS導入の効果について教えてください。
増田様: 回答機能を利用できるおかげで、当社からの電話に出たり、書類を返送したりすることなく、お客様のタイミングで簡単に回答できるようになったというお声をいただきました。実際に、以前は書類返送率が約50%でしたが、返送がなかった50%のお客様に対してSMSを送付すると、回答率が全体で約70〜80%に改善しました。これまではお客様からの回答を得られるまで書面や電話で確認する後追いが何度も発生し、規定の回数を超えても判明しないケースが多くありましたので、当社側の業務効率も向上しました。
また、保険の支払いに利用するコンビニ払いの用紙の再送依頼に対しては、SMAPSでのメッセージ送信のほか、振込用口座を案内する方法もあります。ただし当該口座は一度限りの使用となるため、再送依頼の度に新しい口座を発番してお客様へ連絡する必要があり、一定の事務コストが発生していました。こちらについてもSMSの利用によって削減につながりました。毎月約100件の再送依頼を郵送で対応していましたが、現状は約90件をSMS送信に移行しています。
結果として、月約8時間の業務時間削減効果に加え、年間約60万円の郵送費削減を実現できました。これからもSMAPSの活用を推進していきたいと思える効果が出ています。
予想外の効果として10月からの郵便料金値上げに先手を打てたことになり、仮に導入していなかった時と比較すると月間で、約5,000円のコスト削減ができています。
加入者様の年齢層は幅広いと思いますが、SMSの活用に対する反応はいかがですか?
増田様: 年齢層による大きな差はないですが、特に若い方に利便性を感じていただいているようです。デジタル化が進む中、書類の再送をSMSに置換することが社会におけるニーズとも合致していると感じます。
一方で、SMSは詐欺等に使われているという印象を持つお客様も一部いらっしゃいますので、お客様に安心してご利用いただける工夫が大切だと考えています。
今後の展望についてお聞かせください。
廣瀬様: 業務効率化と費用削減にはまだまだ課題があると感じています。例えば現状は未払い等のイレギュラーが発生したお客様に対してSMSを活用していますが、将来的には現在使用している業務以外でも広く活用できるよう検討を進めていきたいと考えています。加えて、自宅にいながらお支払いができるQRコード決済の導入も検討していきたいです。
スタッフの業務効率化の観点では、現状架電で進めている住所確認のプロセスにおいても、初期段階でSMSを送信することで、コールセンター部門の負担軽減、効率化を検討しています。
増田様:SMS活用といったデジタル化の推進により業務効率化が叶うことで、顧客獲得や新規事業開発を推進していけることは当社にとってプラスだと考えています。
また、返還先口座の確認できない等の顧客とのコミュニケーションで保険料を返還できないという問題を抱えている場合は、SMSを活用することで、早期解消の保険料返還が可能になりますので、他社でも課題解決につながるとうれしいです。