生徒に寄り添える時間の増加が喜び。業務効率化がもたらす新たな価値
株式会社 臨海
業種:学習塾
プラン:Layer3
目的:口座振替の登録手続き
導入前の課題
紙の申込票を使った口座振替手続きによる煩雑な作業が発生。ロスタイムや各種コストが大きな負担となっていた。
導入後の効果
年間で本部は約80万円、現場(各教室)合計で約300万円のコスト削減。紙よりも圧倒的な利便性で、業務負担が改善された。
【お話を伺った方】
株式会社臨海 ビジネスセンター 経理部授業料課
松本梨音さま
紙ベースのアナログな口座登録業務の効率化を求めて導入
臨海様の事業内容とSMAPSの活用方法を教えてください。
松本:当社は小学生から高校生を対象とした学習塾を運営しており、東京、神奈川、千葉、埼玉、大阪に約535教室を展開、約7万人の生徒が在籍しています。(2024年9月現在)経理部では授業料の引き落としに関する口座振替業務を担当していて、紙やWEBでお客様から提出された情報を自社のシステムに反映するのが主な業務です。
この口座振替手続きにSMAPSを活用しています。
入塾申込書をいただくタイミングで授業料等納入の為の口座振替登録もお願いするのですが、紙の申込書を送付いただくか、WEBでの登録をするか選択可能です。WEB登録を選択されたお客様に対してSMAPSからSMSで手続きの案内をお送りしています。
口座振替の登録は当初は申込票の送付のみしか選択できませんでしたが、2018年よりWEB登録を導入し、現在は約6割の方がWEB登録を選んでいる状況です。
SMAPS導入の背景には、どのような課題があったのでしょうか
松本:主に、2つの課題がありました。1つ目は紙書類による手続きの煩雑さです。書類の確認、金融機関への送付、登録手続きに約2ヶ月かかり、書類に不備があれば再手続きが必要になってしまうので、一つ一つ手作業が発生しますし、時間がかかってしまいます。また、口座振替書類は重要な個人情報なので、書類管理にも気を配る必要があります。
2つ目は、コスト削減の必要性です。書類確認にかかる人件費、書類回収送料、書類管理費など多くのコストが発生しているため、コストカットに取り組みたいと考えていました。
口座振替手続きに時間がかかることで、お客様にご不便をかけてしまう可能性もありますし、より早く効率的に手続きを進める方法を検討することになりました。
高度なセキュリティ面が導入の決め手に
どのような経緯でSMAPSの導入に至ったのか教えてください
松本:口座振替代行の委託先から、お客様にSMSでWEB手続きの案内を送付し、紙を使うことなく口座振替の登録を完了できる方法があることを教えてもらい、そこで初めてSMAPSの存在を知りました。
SMAPSを選んだ決め手は、他社のSMSサービスと比較してセキュリティレベルが非常に高いことです。SMSは電話番号に送られるため、契約時にキャリアで本人確認を行っていることから本人性が高く、さらにSMAPSでもメッセージ開封の際に独自の本人認証を行っているので、安心して口座振替ができる点がよかったですね。
ただ、2018年の導入当時はSMSをこういった登録に活用することがまだ一般的ではなく、迷惑メールと誤解されるのではないかという懸念も社内にはありました。
懸念もあった中で、どのように社内でSMAPS導入を説得したのですか?
松本:紙よりも圧倒的に利便性が高いという点を強調して、社内の説得を進めました。コスト削減はもちろんですが、当社では現場の業務負担を軽減し、生徒や保護者へのサービスの向上を重要視していたため、それらの改善が期待できる点を訴求したことで、導入を評価してもらえました。
実際、SMSが送られてくることに対して、お客様からの反応はいかがですか?
松本:先ほど申し上げたとおり6割の方がスマートフォンを使って簡単に口座登録ができることにメリットを感じ、WEB登録を選択されています。『臨海からこのようなSMSが届きます』と、手続き完了までの流れを丁寧に案内しているため、SMSに対する戸惑いや問い合わせはほとんどありませんね。
導入当初は、現場からも賛否両論ありました。入塾の案内は本部ではなく、各教室で行います。そのため、新しい作業を覚えることへの抵抗感やSMSへの不安を感じる声が特に多かったように思います。中には、WEB登録の案内に対して消極的な教室もありましたが、スタッフにメリットをしっかり訴求して、根気よくWEB登録率を向上させていきました。そして、実際に使ってみると、操作が非常にシンプルでSMSの送信を簡単に行えるため、むしろ他の業務に時間を割けるようになったという喜びの声が次第に増えました。
業務効率化とコスト削減に大きく貢献。郵便料金の値上げにも先手
SMAPS導入後の効果を教えてください。
松本:導入当初の試算ではWEB口座登録が40%ほど普及すれば、年間で本部は約80万円、現場は約300万円のコスト削減に繋がると試算していました。現時点で、WEB口座登録は全体の60%を占めるまでになり、本部は130万円、現場では570万円のコスト削減が実現されました。予想していなかった展開ではありますが、2024年10月からの郵便料金の値上げにも先手を打つことができましたね。
また、紙による口座登録が減ったことで、書類の管理負担も大幅に軽減されています。
これまで口座振替登録を行っていただけないご家庭には、紛失した書類の再送や状況確認のお電話等を行っていました。SMAPSを導入してからは、登録期限から1週間過ぎたころにSMSを再送するだけで済むようになったのです。管理画面で開封状況等も一覧化されているのでかなりの手間が省けています。
単純作業はデジタルに任せ、人にしかできないことに時間を費やす
今後、SMAPSの活用はどのように進めていかれる計画でしょうか
松本:今後2〜3年でWEB口座登録割合を70〜80%まで引き上げ、さらなる業務効率化とコスト削減を目指していきます。また、口座登録に加えて、お客様へのオプションサービスの案内など、営業活動の一環として活用できないか模索中です。
SMAPSを導入したことで事務作業の負担が軽減され、生徒と向き合う時間を確保できるようになったことが最大の利点ですので、単純作業はデジタルに任せ、人にしかできないことにどんどん時間を割いていきたいですね。
あまり知られていないことなのですが、学習塾業界では昨年までは契約には書面が必須と法律で定められていました。そのため、WEB契約を導入したくても進められない状況だったのです。2023年6月に法律が改正され、基本は書面での契約前提となっているものの、お客様の同意が得られればWEB契約も可能になりました。
SMAPSによる口座登録のご案内に加え、生徒向けにはテスト結果を専用のWEBサイトから確認ができるようにもしています。これに加え、コース変更や科目変更などもWEBに移行していきたく、検討を始めているところです。
社内スタッフ向けの業務も含め、現場・バックオフィスともに、この数年で進んだデジタル化の波をさらに加速させ、よいサービスの提供をしていけたらと考えています。