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2024.12.04

「SMSは本人確認できる最適なツール」検針・支払いのデジタル化で業務効率が大幅向上

湖西市 水道課 総務給水係

業種水道事業

プランSMSソリューション(Powered by SMAPS)

目的検針票の送付、漏水お知らせ、水道料金のクレジットカード決済申請

導入前の課題

検針票や納付書のペーパーレス化や郵送コストの削減、多様な市民のライフスタイルに対応するための決済手段拡張など、DXが求められていた。

導入後の効果

導入から約2年間で1,135件が納付書払いからクレジットカード決済に移行し、年間約6,800通の納付書コストを削減。ヒューマンエラーのリスクの解消と、債務管理の効率化にも繋がった。

【お話を伺った方】

静岡県 湖西市 水道課 総務給水係
ご担当者さま

※当社はパートナーシップ協定を締結したNTTタウンページを通じて、湖西市さまにSMSソリューション(Powered by SMAPS)を提供しています。


多様化するライフスタイルに合わせ、ペーパーレス化や決済手段の拡張が急務に


湖西市 水道課 総務給水係さまの担当業務と当社サービスの導入経緯を教えてください。


湖西市水道課の総務給水係では、水道サービスの企画や料金管理、新規契約の手続きを主な業務として担っています。近年、多様化する市民のライフスタイルに合わせたサービス提供が求められる中、湖西市全体でDXが推進されており、水道課でもDX推進、脱炭素、ペーパーレス化への対応が強化されるようになったことが導入の背景にあります。


導入時、どのような課題がありましたか。


湖西市では、2027年度までに「スマートメーター全戸設置」計画を進めています。スマートメーターとは、検針員が現地を訪問せずに遠隔で検針データを得ることができる装置で、2021年度から約1,900戸を対象にスマートメーターの試験導入を開始し、2023年度からは全市内を対象に本格的に導入を拡大しています。

スマートメーターの導入で検針員が各戸を訪問する必要がなくなる一方、検針結果や料金請求は郵送による通知が必要で、紙ベースでの発行や郵送コストが課題として浮上していました。


また、決済手段も口座振替と納付書払いに限られており、利便性の向上が求められていました。湖西市には全国からの労働者が集まる大きな工場があります。そうした方々は都市銀行を利用するケースが多く、口座振替の場合は市提携の金融機関に新たに口座を開設する必要がある点が不便さを生じさせていました。


現在、どのような業務に当社サービスを活用されているのか教えてください。


まず、2021年12月に「検針票等のSMS送信サービス」を開始し、リアルタイムでの情報提供が可能になりました。続いて2022年4月には、「SMSの本人認証を活用したクレジット決済」を導入し、さらに2022年10月からは「SMSによる漏水お知らせサービス」も提供開始しました。これにより、漏水トラブル発生時に早急に市民へ通知ができる体制が整い、迅速な対応が可能になりました。



当社サービスが導入されたことで、決済手段は増えたのですね。


はい。前述のとおり、従来の決済手段は口座振替と納付書払いの2種類で、約70%が口座振替、残り30%が納付書払いでした。特に、納付書払いの手続きにおいては郵便でのやりとりが必須で、時間とコストがかかっていました。

当社サービスを導入後、2022年度からはクレジットカード決済を新たに追加することができ、現在の割合は、口座振替が70%、納付書払いが20%、クレジットカード払いが10%になりました。決済手段が増えたことで、特に転入者や都市銀行利用者にとって利便性が格段に向上しました。クレジットカード利用のポイント付与のメリットもあるので、今後さらにクレジットカード決済の利用者が増加すると見込まれます。


年間で約6,800枚の納付書削減と、債権管理の効率化に成功


当社サービスをお選びいただいた理由について教えてください。


送信日時や送付したURLへのアクセス履歴、そしてクレジットカードの登録完了など、詳細なログを取得できる機能があったことが決め手となりました。この機能により、市民からの問い合わせに迅速かつ適切に対応することが可能になり、問題解決までの時間が大幅に短縮されました。さらに、SMSには本人確認機能が搭載されており、EメールやLINEと異なり、クレジットカードの登録も安心して行える点も大きな魅力でした。


当初はEメールも候補にありましたが、無料のメールアドレスでは複数アカウントの使用が可能で、個人の特定が難しいという課題がありました。また、メールの送付後にアクセス状況を把握することが困難であったため、最終的にはSMSの方が安全性と利便性に優れていると判断しました。


導入後、どのような成果がありましたか。


2024年9月末までに、SMS検針票に変更された方が約26,000件中2,597件(全体の約10%)、クレジットカード登録された方が2,202件(全体の約8.5%)に達しました。決済方法を紙の納付書からクレジットカードに変更された方は1,135件で、年間で約6,800枚の納付書削減につながりました。


また、SMSによるクレジットカード決済連携で、実質的に全国の金融機関が利用可能となり、市内の金融機関の口座を持たない方は納付書払いしか選択できないという課題が解消されました。クレジットカード決済に関しては、未払いや再徴収の手間が軽減され、債権管理の効率化にも寄与しています。さらに、利用者はスマホから検針票を確認できるため、検針票の紛失や投函ミスなどのヒューマンエラーリスクが解消されました。


加えて9月の議会にて、2025年4月からSMS利用者や検針票不要の方には水道料金から55円の割引適用が決まりました。クレジット決済の場合はさらに55円が追加割引され、合計で110円の割引となります。現在、SMS検針票の利用率は約10%ですが、この割引施策により、利用率向上につながることを期待しています。


湖西市水道課では毎年新しい取り組みをされていますが、うまくいった背景はどのようなところにありますか。


前述の割引額については、審議会や有識者会議で根拠を示しながら説明し、理解を得るよう努めました。また、新聞で取り組みを取り上げていただいたことで、市民への周知も円滑に進みました。DXを進めるにあたっての料金設定に関しては、前例が少ないため、情報提供や説明に注力し、理解促進に努めましたね。



シニア層にもSMS利用を積極的にサポートし、湖西市全体のDXを推進


SMSの利用者層と案内方法について教えてください。


SMSの利用者層は若年層に限りません。特にシニア向けには、市役所や郵便局でのサポート体制が整えられており、スマホをお持ちであれば、年齢関係なく登録いただけるように工夫しています。また、市民向けのイベントや広報活動を通じて、SMSの登録を促進し、利用者層の拡大を図っています。こうしたサポートを通じて、市民全体への普及を着実に進めています。


また、SMSが送られてくることに対して、市民からどのような反応があるか心配していた部分もあったのですが、「発信元の電話番号を見ていただけば水道課からだとわかりますよ」とご案内をすることで納得してくださることがほとんどなので、今のところ戸惑いのお声はありません。


今後の展望


湖西市では今後、すべての市民に対してSMS検針票の導入を進めていくことを目標にしています。特に、スマートメーターとの連携が進むことで、さらに業務の効率化が期待されます。また、水道課以外の部署でもSMSの活用の可能性を模索しており、将来的には請求書や、納入通知として法的に効力が効くようになれば、税の通知などにも展開できる可能性があるでしょう。SMSを活用することで、湖西市全体のDXを推進し、さらなるサービス向上を目指していく方針です。

他の自治体にとっても、水道業務からデジタル化を進めるモデルケースとして、湖西市の事例が参考になれば幸いです。


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